日本古来のハーブ、シソ。
今も昔も食卓に美味しさと彩りを添えてくれる、便利な香味野菜です。
シソはビタミンやミネラルなどの栄養が豊富に含まれているのに加え、抗菌・抗酸化作用もあるので食中毒の予防にもなります。
あると便利なシソはガーデニング初心者にも簡単に育てられますが、一方で庭に植えてはいけない植物とも言われています。
一体なぜなのでしょうか?
この記事では、
- シソを植えてはいけないと言われる理由
- 赤シソと青シソを一緒に植えてはいけない理由
についてまとめました。
シソを植えてはいけないと言われる理由

シソを植えてはいけない理由は、
- 大繁殖する
- 害虫がつきやすい
正しく育てて美味しいシソを楽しむためにも、それぞれの理由を確認していきましょう。
大繁殖するから

シソは9月上旬頃から花をつけ始め、その花が種となり庭にこぼれて翌年芽を出します。
こぼれた種は3月頃までは休眠しているので気付きづらいのですが、庭のいたるところに飛んでいるので春になるとあちこちから顔を出します。

シソの繁殖力は雑草並み!
シソ好きの方には嬉しい…かもしれませんが、そのままにするとお庭の他の植物が育ちにくくなってしまいます。
鉢やプランターの中で育てるのが安心ですが、もしシソが地面から芽を出しているのを見つけたら、その都度抜いて繁殖を抑えることも大切です。
害虫がつきやすいから

シソはミントなどのハーブの仲間でもあるので、もしかすると虫除け効果を期待する方もいるかもしれません。
ナメクジやイモムシなどはシソの強い香りを嫌いますが、中にはシソが大好きな虫もいます。
その代表例がヨトウムシ。
漢字では『夜盗虫』と書き、その名の通り夜になると活動を始めます。
ヨトウムシは蛾の幼虫で、柔らかな葉っぱが大好物!
シソはもちろんのこと、野菜をはじめとしたお庭の他の植物にも被害が出ることも。
昼は地中に潜んでいるので見つけづらく、また一回の産卵で数十〜数百もの卵を産むため、一度発生してしまうと後々大変です。
ヨトウムシの他には、アブラムシやバッタ、ハダニ、アザミウマなどもシソに付きやすい虫として知られています。
赤シソと青シソを混植してはいけない理由

シソには赤シソと青シソの2種類があることは、皆さんもご存じだと思います。
濃い赤紫色の葉が特徴の赤シソは、6〜8月が旬で主に梅干しや漬物、ジュースなどの色付けに使われます。
大葉や青じそとも呼ばれる青シソは、一年中手に入り栄養価も高いので、食用として用いられることがほとんどです。
どちらも便利なシソの仲間ですが、実はこの2種類は混植してはいけないと言われています。
ではその2つの理由をみていきましょう。
交雑するから
赤シソと青シソを同じ場所に植えると、簡単に交雑します。
交雑とは、異なる種が掛け合わさることで雑種が作られること。
つまり、赤シソとも青シソともいえない『何かシソ的なもの』が出来上がることになるのです。
交雑したシソは
- 表裏で色が違う、まだらな発色など、赤と緑色が混ざり元々の鮮やかな色は失われる。
- 風味も落ちる。
そして最も困るのが、一度交雑すると元のシソには戻らないこと。
美味しいシソを楽しむために、赤シソと青シソは近くに植えないことがおすすめです。
別の鉢に植えて離して管理するのが良いでしょう。
ちなみに、同じくシソ科のミントなどのハーブとも交雑しやすいので、お庭でハーブを育てている方は注意してくださいね。
大繁殖するから
シソは元々生命力・繁殖力が強い植物ですが、交雑するとさらに強くなります。
その結果大繁殖を起こし、お庭の他の植物の生育に大きな影響を与えてしまうことも。
庭じゅうに増えすぎて手がつけられなくなってしまったら大変です!
シソを雑草化させないためにも、赤シソと青シソの混植は避けましょう。
まとめ
シソは生命力や繁殖力が強く、安易な地植えや赤シソと青シソの混植はしてはいけないことが分かりました。
シソを上手に育てるための正しい管理方法は以下の通りです。
- こぼれ種対策として、鉢やプランターはコンクリート等の上で管理する
- 防虫ネットを張るなど、ヨトウムシなどの害虫対策をする
- 赤シソと青シソを混植する場合は一年限りにする
- 種が作られないように、花は穂がついたら早めにカットする
コツをつかんで美味しいシソを育ててくださいね!