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カモミールの育て方と管理のコツを初心者にもわかりやすく解説

カモミールの育て方と管理のコツを初心者にもわかりやすく解説

パッとわかる!カモミールの育て方

  • 蒸れに弱いので水はけのよい土で乾燥気味に育てます。
  • 寒さに強く丈夫で育てやすいので、初心者にもおすすめです。
  • こぼれ種でどんどん増えます。
  • 日差しのあたる室内で、観葉植物のように育てることもできます。

りんごのようなフルーティーな香りのするカモミール。 

カモミールの名前もギリシャ語の「大地のリンゴ」に由来しています。

カモミールには幾つかの種類があります。

有名なのは「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」です。

この記事では、カモミールの育て方について、ガーデニング初心者の方でもわかりやすく解説しました。

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運営者
みゆき

みゆ庭編集部

ガーデニングコーディネーター

元植物を枯らすタイプ…。
コツをつかんだら、うまく育てられるように!
ずぼらガーデニングくらいがちょうどいい♪

目次

カモミールの詳細情報

ジャーマンカモミール
植物名カモミール
学名Matricaria recutita(ジャーマン・カモミール)/
Chamaemelum nobile(ローマン・カモミール)
英名German chamomile(ジャーマン・カモミール)/
Roman chamomile(ローマン・カモミール)
科名キク科
属名シカギク属(ジャーマン・カモミール)/
ローマカミツレ属(ローマン・カモミール)
園芸分類ハーブ
形態一年草/多年草
樹高30㎝~60㎝/20~30㎝
原産地ヨーロッパ、中央アジア、中国東部モンゴル、朝鮮半島(ジャーマン・カモミール)
西ヨーロッパ、北アフリカ(ローマン・カモミール)
開花期3〜6月(ジャーマン・カモミール)/5〜6月(ローマン・カモミール)
花色
耐寒性強い
耐暑性弱い

カモミールは鉢植えでも地植えでも育てることができます。

こぼれ種でどんどん増えるので、初心者にもやさしいです。

カモミールを育てるポイントは風通しをよく乾燥気味に育てます。

よく店頭で目にするのは、「ジャーマンカモミール」「ローマンカモミール」です。

この2つは白い花が咲くなど見た目が似ていますが、分類上では別の植物です。

見分けがつかない場合は葉を揉み、リンゴのような香りがするほうがローマンカモミールです。

ハーブティーや薬として使われるのは、ジャーマンカモミールです。

昔からお茶やお薬などに使われてきました。

ジャーマンカモミールローマンカモミール
香る部分花、葉、茎
花の咲く数
増やし方種、苗
植え替え×
植え付け時期3~4月
9月~10月
3~6月
強み医薬品に使われるほどの薬効がある。踏んでも枯れないためグランドカバーに使われる。

カモミールをキャベツやタマネギ、カブのそばに植えておくと、害虫予防の効果があります。

一緒に植えた植物を元気にすることから、「植物のお医者さん」と呼ばれています。

とてもよく増えることから、カモミールを植えてはいけないと言われることがありますが、お庭に植えても問題のない植物です。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

カモミールの育て方|購入から植え付けまで

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入手方法と販売時期

カモミールの苗や種は、ホームセンターや園芸店で購入できます。

苗が店頭で販売されるのは3月~5月です。

葉の色がきれいで、茎がしっかりとしている苗を選びます。

花がたくさん咲いている苗よりも、花が咲いておらず葉が多い苗を選びます。

用土

庭に植える場合

二週間ほど前にあらかじめ土を作ってからカモミールを植え付けます。

土の配合

赤玉土(小粒):腐葉土:パーライト(小粒)=6:3:1

カモミールは蒸れに弱いため、水はけのよい土を使います。

カモミールは酸性の土が苦手なのであらかじめ土を調整します。

庭の土に苦土石灰を混ぜると酸性が弱くなります。

苦土石灰の量は50〜100gです。

鉢に植える場合

鉢植えのカモミールには、ハーブ用の培養土を使います。

植え付け・植え替え

種まき

カモミールの種まきは、3~4月か9~10月の暖かい日中に行います。

気温の目安は15〜20℃くらいです。

プランターや鉢に直接種を植える方法と、育苗ポットに植える方法があります。

おすすめは、育苗ポットで丈夫な苗を育ててから植え替える方法です。

育苗ポットから植え替えるほうが病気になりにくく、虫もつきにくいので丈夫に育ちます。

  1. まず、育苗ポットに土を入れます。
  2. 鉢に直接植える場合は、鉢底石をしいた上に土を入れます。
  3. カモミールが重ならないよう、土の上にパラパラとまきます。
  4. カモミールの種を隠すように、薄く土をかぶせます。
  5. 水をあげるときに、カモミールの小さな種が流れてしまわないよう、土の上から軽く指で押さえます。
  6. たっぷりと丁寧に水をあげます。
  7. 芽が出るまでは、雨のかからない場所に置きます。

1~2週間でカモミールが芽吹きます。

育苗ポットに植えた場合は、本葉が5枚程度になった頃に鉢や地面に植え替えます。

日当たり・置き場所

風通しが良く、乾燥気味の環境が適しています。

直射日光を避け、日当たりのよい場所に置きます。

日差しのあたる室内で、観葉植物のように育てることもできます。

カモミールの育て方|日々のお世話

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水やり

土が乾燥してから数日ほどは乾燥状態にしておきます。

鉢に植える場合

土の表面が乾いてきたら、鉢の底から水が流れるくらいたっぷり水やりをします。

ジャーマンカモミールローマンカモミール
水やりの違い土が乾いたらたっぷり水を与えます。根腐れを起こしやすいのですこし乾燥気味にします。

庭に植える場合

基本的には水やりの必要はなく、雨水で十分です。

肥料

カモミールは肥料が少なくても、つぎつぎと花を咲かせます。

植え付けの時に元肥を与えます。

カモミールの花がたくさん咲きだしたら少なめに追肥を与えます。

肥料が多いとアブラムシの発生の原因となるため、少な目になるよう注意します。

庭に植える場合

お庭のカモミールは、肥えた土なら肥料がなくても育ちます。

鉢に植える場合

ジャーマンカモミールは春の頃、リン酸分の多い液体肥料を与えます。

ローマンカモミールは花を収穫したあとに、半分に薄めた液体肥料を与えます。

鉢植えカモミールの肥料の違い

ジャーマンカモミールローマンカモミール
植え付け時緩効性化成肥料緩効性化成肥料
開花時3月~6月
追肥少な目
5月~6月
追肥少な目
3月上旬リン酸分の多い液体肥料×
5月~6月の収穫期後×半分に薄めた液体肥料

剪定・切り戻し

カモミールはどんどん成育するため、葉が茂って蒸れてしまいます。

カモミールは多湿に弱い植物です。

カモミールが蒸れると根腐れをおこすことがあります。

葉や茎が混みすぎないよう、こまめに剪定をして風通しをよくします。

葉っぱ同士がふれあう部分は葉や茎を切りおとします。

夏越し

カモミールは暑さに弱い植物ですが、花は夏前に終わります。

夏には枯れてしまうので、枯れてしまってもあまり気にしなくて大丈夫です。

ジャーマンカモミールは一年草のため夏越しはしません。

ローマンカモミールは多年草なので夏越しします。

庭に植える場合

植え付けの時に、直射日光の当たらない場所を選びます。

真夏の炎天下が続く場合は、早朝に水やりをします。

鉢に植える場合

蒸し暑い夏はとにかく蒸れてしまうので、明るさのある日陰に移動させます。

夏越しの違い

ジャーマンカモミールローマンカモミール
夏越し×
一年草のため夏越しは不要です。多年草のため夏越しが必要です。

冬越し

カモミールは寒さに強い植物です。

枯れてそのままにしておいたカモミールから種が落ちて、知らぬ間に冬越しすることがあります。

次の春にはまたたくさんの花を収穫できます。

カモミールの苗が小さい場合は、霜や凍結で枯れてしまうことがあります。

ローマンカモミールの葉は、冬でも緑色をしています。

病害虫

うどんこ病

うどんの粉のように生える白いかびです。

カモミールの花や葉、茎に発生します。

うどんこ病にかかってしまうと、生育不良で枯れてしまいます。

うどんこ病専用の薬剤で対処します。

アブラムシ

カモミールはアブラムシがつきやすい植物です。

3mm程度の小さな虫で、茎や葉に無数のアブラムシがついていることがあります。

アブラムシは茎や花から植物の養分を吸ってしまいます。

養分を吸われた植物は、生育できなくなって枯れてしまいます。

アブラムシの発生しやすい原因

  • カモミールが蒸れている。
  • 葉が茂りすぎて風通しが悪い。
  • 窒素分の多い肥料をあげすぎ。

カモミールは風通しをよくし、乾燥気味にすることで、健康に育ちます。

アブラムシの発生の予防方法

  • 春に粒状の浸透移行性殺虫剤をカモミールの根におく
  • 木酢液を水で薄めてふきかける

木酢液はアブラムシの予防だけでなく、土の微生物を増やし、植物を元気にしてくれる効果もあります。

アブラムシの発生が初期の場合

  • 牛乳を水で薄めたものを霧吹きでふきかける
  • 食器用洗剤(数滴)を水500mlで薄めたものを霧吹きでふきかける

アブラムシを窒息させる効果があります。

大量発生したアブラムシにはあまり効果はありません。

アブラムシが大量発生してしまったら、市販の殺虫剤を使って駆除します。

ハダニ

風通しが悪くなると発生しやすい虫です。

ハダニはクモの仲間で、体は赤や黒、茶色をしています。

暑くて乾燥いている環境で発生します。

ハダニは葉の裏に寄生して養分を吸い取ります。

被害のあった葉は無数の白い斑点をつけ、被害の大きな葉は全体的に白っぽくなります。

葉の色が抜けると光合成ができなくなり、やがて植物は枯れてしまいます。

ハダニ発生の予防方法

ハダニは水に弱いです。

カモミールの葉に霧吹きで水をかけるとハダニ発生の予防になります。

ハダニが発生したら

葉の裏にシャワーのような勢いをつけた水をかけます。

大量発生した場合は、ハダニ駆除の殺虫剤を使用します。

カモミールの増やし方

挿し木


挿し木に適している時期は3~4月頃。

カモミールを10~15cm程度に切って土に挿します。

根が出て少し大きくなれば、鉢や庭に植え替えます。

こぼれ種


ジャーマンカモミールは、夏前に花を咲かせ夏には枯れてしまいます。

枯れた後そのままにしていると、自然に種がこぼれて広がっていきます。

気づかぬ間に冬も越え、春になるとまたたくさんのお花と香りが楽しめます。

株分け

ローマンカモミールは株を分けて増やすのがおすすめです。

株分けをするのは3月~4月です。

元気なカモミールの苗を分けて植え替えます。

カモミールは大きくなって根詰まりを起こすと、香りが弱くなってしまいます。

香りを楽しむためにも株分けをして増やしてみましょう。

まとめ

カモミールの育て方についてご紹介しました。

ローマンカモミールは冬でも葉の色が緑なので、観葉植物のように楽しむこともできます。

ジャーマンカモミールは丈夫でこぼれ種でつぎつぎに増えるので初心者にもおすすめです。

咲いた花を収穫して乾燥させれば、ポプリやハーブティとして楽しめます。

ぜひ皆さんもカモミールを育ててみてくださいね。

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